とらきちマネーブログ

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年金基金の運用は下手なのか(結論:上手いです)②

まねきちです。

 

前回からの続きで、年金基金の運用の成功要因、分散投資に関して説明していきたいと思います。

 

分散投資とは言葉の通り、投資をする際に、その資金を様々な運用商品に配分することです。

 

そうすると何が起こるかというと、同じリターンを得るために取らなければいけないリスクが理論上小さくなるのです。

 

ここで言うリスクとは、一般的に理解されているリスクとは少し違って、運用をする時の不確実性、資産の値動きの幅だと思っていただければ良いです。

 

例えば国内株式のリスクは25%前後ですが、これは国内株式という運用商品に投資した場合、統計学に基づくと65%の確率で1年後投資した金額は±25%以内に収まっているとされています。

 

難しい説明になりましたが、ざっくりまとめると、

 

  • リスクが高いほど、その資産の値動きは大きい
  • 期待リターンが高いものは、リスクが大きい傾向にある

ことが言えると思います。

 

当たり前のことですが、みんな自分のお金は大事です。ましてや年金なんて、給付することが決まっているのだから、絶対に無くせないお金であるので、リスクは大敵です。

 

一方で、リターンは上げなければいけない。

 

つまり、リスクは極力小さく、その中で取ることのできるリターンを最大にする運用が必要になります。そこで活きてくるのが分散投資ポートフォリオ理論)の考え方です。

 

下の図をご覧ください。

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年金基金のHPにある図ですが、縦軸がみんなが求めるリターン、横軸がみんなが怖いリスクになっております。この図で左上にあるような資産(高リターン、低リスク)は好まれるのですが、見て分かる通り、高リターンを得ようとすると、リスクも取らないといけなくなっております。

 

この図にある運用商品に一点集中するとリスクが図の通りになってしまいます。そこでうまく分散して投資することで、リターンをあげながらリスクを下げることが出来ます。

 

例を出すと次の図です

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今回は株式に投資をするとして、一つの会社に投資するわけではなく、夏に需要が高まるアイスクリームの会社と、冬に需要が高まるおでんの会社に投資した例です。それぞれ単体で投資するよりも、半分ずつ投資した緑の線の方が安定して推移していることがわかります。

 

これが分散投資の例で、株式市場が成長すると考えれば、銘柄を分散させることでリスクを抑え、その成長を確実に享受できるということです。

 

今回の例では株式同士の例でしたが、同じようなことが株式と債券、国内と外国など様々な資産クラスでも言えます。

 

資産クラスも、その中身の銘柄もしっかり分散することで、どんな場面でも極力リスクを抑えながら運用できると言うことを年金基金は分かっており、運用を続けていることがわかります。そこに成功の理由があったのだと思いますし、個人投資家の資産形成においても、この考えは非常に参考になると思います。

 

ちなみに現在の年金基金の分散されたポートフォリオは以下のようになっております。

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資産クラスがうまく分散されていることがなんとなく見えると思います。

リスクを極力小さく、リターンを極力大きくするために考え抜かれたポートフォリオになっていると思いますので、投資をするときに参考にしてみていいと思います。実際に証券会社の商品にも、年金基金に似たポートフォリオを持てるように設計されている商品も多くみられました。

 

今回は以上です。ありがとうございました。

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ぶんさんとうしか。。