年金基金の運用は下手なのか(結論:上手いです)①
まねきちです。
今回は、最近何かと話題になる年金について、その運用はどうなっているのかについて解説していきたいと思います。
結論から話すと、年金基金の運用は上手いと考えております。
これまでの運用成果が下図になります。
運用は2001年度からスタートし、運用金額は100兆円程度のスタートであったと認識しております。2008年のリーマンショックにおける大幅な資産の下落を経験しておきながら、2019年までで超過収益額は66兆円、平均収益率は年率3%となっております。
年金基金の運用はマイナスの時にマスコミや政治家から叩かれやすく、運用がうまくいっていないようなイメージが植え付けられやすいかと思いますので、この成果であることを驚かれる方もいらっしゃるかと思います。
それではなぜ、年金基金の運用は上手くいっているのでしょうか。
その理由は、以下2点だと思っております。
- 相場変動に関係なく、長期的に投資し続けたこと
- 投資する資産をうまく分散させたこと
まず1点目の 長期的に投資し続けたことについて。
人間の投資行動を研究した行動経済学という学問があります。そこでは人間が投資をするにあたって、常に理性を保って経済的に合理的な判断を下し続けることが非常に難しいことが証明されております。
具体的には、人は損失に対しての不快感が利益を得た時の快感よりも強いため、適切なタイミングで損切りをすることが出来ないことや、株が下がって買うタイミングにもかかわらず、世間での絶望に溢れたニュースを見て投資するのを躊躇したりすることなどが挙げられます。
特に株式は値上がりや値下がりが大きいです。その上下の変動を繰り返しながら、長い年月が経った後に計算すると、年率5~7%程度のリターンが上げられておりました。
そのリターンを享受するため、短期的な上下にとらわれず、長い間決めた運用商品を持ち続けたことが一つ目の勝因だと思います。
特にリーマンショックの時は、株式の大幅な下落を背景に多くの人が運用商品を投げ売りしておりましたが、年金基金も同じような行動を取っていたとすれば、結果は悲惨だったと思います。
正しい知識を身につけ、理論に基づいた投資行動を継続することで成果が上げられるのですね。
年金基金の成功要因の2つ目、分散投資をしたことについては次回解説していきたいと思います。