とらきちマネーブログ

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投資信託運用を始める前の注意点2点!(購入手数料と毎月分配型)

まねきちです。

 

今回は投資信託で運用する方に向けに、証券会社で勤めていた知見からいくつか注意した方がいいことを書いていきます。

 

公表されている投資信託の純資産ランキングを見ると、本当に良いものではなく、営業マンが買ってほしい商品、または初心者の方に買ってもらいやすい商品が選ばれてしまっているように感じます。

 

以下が10/24時点の投資信託純資産ランキングです(純資産とは、ファンドにどれだけお金が集まっているのか示した金額のことであり、その投資信託の人気度がわかる)

 

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これを見て、2つ注意してほしいことを伝えます。購入手数料と毎月分配型です。

 

まずは、購入手数料です。消費税も含んだ数字になっていると思いますが、1,2位の投資信託3.85%(販売証券会社にもよるが、概ね3.3%~3.85%と想定される)の購入手数料です。これは運用商品をたくさん知っている人からすれば高いと感じるはずです。それでも銀行や証券会社の販売員は目標を背負っていることがほとんどなので、同じ金額でも手数料を多くもらえる手数料率の高いファンドが勧められているように見えます。

 

昨今、ノーロードの投資信託という購入時にかかる手数料が無料のファンド(有名なのは一般的なインデックスファンドやひふみ投信さわかみ投信など)が多く出てきております。

 

そのような投資信託と比べても、それだけの購入手数料を払うべき魅力あるファンドなら話は別ですが、、私はそこまでのファンドをほとんど見たことがありません。ノーロードで最初の投資金額はしっかり守りながら、運用をした方が良い成果になることが多いと思います。

 

また、毎月分配型という商品性も、個人投資家に好まれる商品設計のため、営業としては販売しやすいと思います。

 

毎月分配というのは、例えば基準価格が1口当たり10000円のファンドAが存在しており、月々の分配金が1口当たり100円だったとします。

 

このファンドに100万円投資したとする(手数料0%と仮定)とすると、ファンドAを100口買うことができます。月々の分配金が1口当たり100円なので、100口×100円で毎月1万円の分配金を手に入れることができます。

 

100万円あたり1万円の分配金なので、分配金の利回りは月利1%、年利12%となります。定期預金に金利がつかず、また国内株の配当利回りも3%弱の投資環境で、12%の分配金利回りと聞くとものすごく良く見えてしまい、人気化するという流れがずっと続いているように感じます。

 

分配金利回りというのは、一定期間はファンドの運用成績がどのようになっているかに関わらず、一定額が払い出されるものです。つまり、ファンドが利益が出てなくても分配金が払い出されるものであり、その場合は最初に投資された元本を崩して、投資した人にお金を戻しているだけということになります。

 

そもそも健全な利益の分配は、株式であれば一定期間の事業活動を通じて得た利益を配当として分配し、投資信託であれば、運用がうまくいって膨らんだ利益部分の一部を分配金として払い出すことだと思っております。

 

ただ、世の中の投資信託の中には、ファンドに組み込まれている運用商品の利回りが5%程度であるにもかかわらず、分配金の利回りが上記のように12%程度になっているものも多く見られるので注意してください。毎月1%の分配金が入ってくることで、利益が出ているように錯覚してしまうことがよくあります。私からすれば、そんな高い分配金利回りはそもそも元本から払い出されてしまうように設計されており、売れやすさしか考えられていないように思います。

 

そしてファンドの中身のリターンに見合わない分配金の払い出しが続くと、元本部分が削られていき、高い水準の分配金が払えなくことが多くあります。

 

以下はその実例です。人気ファンドのアメリカ不動産ファンドの分配金の実績です。(少し前まで純資産額1位だったフィデリティUSリートファンドBコース)

 

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この図を見ていただくと分かりますが、当初100円だった分配金が、現在では35円になっております。

 

破格の分配金は長く続かないことがほとんどです。投資信託を選ぶときには、分配金が多いか少ないか、ではなく、中身がきちんと儲かっているかどうか、分配金と元本部分を含めたトータルリターンを軸にすべきですね。 

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いろいろ見て比べると面白いよ